東京都世田谷区|揚げものスタンド たのしみち|骨付き鶏モモ肉を定食で味わえる!世田谷・奥沢で長年愛される素揚げの専門店
素揚げの定食、実は珍しい
ランチで唐揚げ定食というのは定番中の定番。こってりした醤油唐揚げなどは白いごはんがすすみますが、たまには骨付きモモ肉の素揚げでごはんなんていかがでしょう。ご紹介するのは東急目黒線・奥沢駅から徒歩2分ほどにある『揚げものスタンド たのしみち』。その店名の通り、揚げ物でお酒を楽しめる居酒屋さんですが、昼は定食を楽しめます。こちらでぜひ味わってほしいのは「鶏もも素揚げ定食」(1,425円)。骨付き肉の素揚げを定食で提供するお店はありますが、まだまだ少数だと思われます。
ごはんはお茶碗ではなくおにぎりで?
オーダーすると店員さんから「おにぎりは何にしますか?」と聞かれます。この定食、ごはんはお茶碗ではなくおにぎりで提供されるんです。鮭・梅・高菜・たらこ・すじこの5種類の中からひとつチョイスするシステム。私はたらこをお願いしました。お茶碗ではなく、なぜおにぎりなのか…?その意味はあとでわかります。
待つこと10分ほどでお目当ての登場。美しいフォルムの骨付き肉です。食べやすいようにカットしてくれています。ランチにちょうどいいサイズ感ですね。
油分50%カットの米油で揚げた素揚げ
さっそく素揚げをいただきますが、箸は使わず手づかみでいきます。表面はバリッとしながらも軽やかな食感。とくに皮の部分がパリパリで香ばしい。この時点で降参レベルの美味しさです。見事な揚げ具合ですね。油っぽさもまるでなく、とてもさっぱりした感じです。なんでも油分を50%カットした、こだわりの米油を使っているのだとか。どうりでさっぱり爽やかな味わいに仕上がっているわけです。
そんな表面とは裏腹に、肉はフンワリとした歯ざわり。そのギャップがまたいい!味付けは塩のみとのことですが、もうそれだけで十分。肉の旨みもしっかり味わえます。しかもその旨みと塩の味が見事なコンビネーション。歯を入れていくと、肉汁が歯のすき間から流れ込んできます。肉の旨みとそれを絶妙にアシストする塩の味。塩も肉に合うものを厳選しているそうで、旨みと塩の相性のよさを再認識できる素揚げです。
素揚げとおにぎり、手づかみでGo!
当然ごはんもすすみます。素揚げを手づかみで食べたあとにその手でおにぎりをパクリ。素揚げ→おにぎり→素揚げ…という流れですが、箸を持ちなおす手間がはぶけます。そう、なぜお茶碗ではなくおにぎりなのかがこれでわかりますね。指先にほんのり残った素揚げの味がおにぎりにも移ってこれまた“オツ”です。おにぎり1個では足りないと思ってしまうほど。肉は骨ばなれもよく、あれよあれよという間に肉を完食してしまって骨だけの状態に。これまた1本では足りない…なんて思ってしまう美味しさでした。
さてこの素揚げ、夜の居酒屋タイムでも味わえます。しかも夜は軟骨やぼんじり、砂肝などいろいろな部位の素揚げがズラリで、こちらはごはんでなくお酒がすすみそうです。鶏肉だけでなく野菜の素揚げも楽しめます。まさに“素揚げの専門店”といえそうなお店ですね。次回はぜひ居酒屋タイムにお邪魔して、この鶏の素揚げをおつまみに一献いきたいと思います。
(取材年月日:2024年5月17日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。