千葉県柏市|わとか食堂・豊四季台店|ほかでは味わえない斬新さ!芳醇な後味のムネ肉唐揚げが絶品の「わとか食堂」
コンセプトは和食と中華のいいとこどり
JR柏駅からバスで数分、豊四季台団地の中にある『わとか食堂・豊四季台店』は、髙野克已さん・紀子さんご夫妻が切り盛りする創作料理レストラン。「和食と中華のいいとこどり」をコンセプトとしているそうで、それが店名の「わとか」に表現されています。こちらの一番人気は唐揚げ。テイクアウトもやっており、団地に住む子どもやお年寄りにも幅広く支持されています。
お店は白を基調とした、おしゃれなカフェのような雰囲気です。まずはレジカウンターで注文と会計を済ませ、番号を呼ばれるまで席で待機。ドリンクバー(有料)もあるので、アイスコーヒーを飲みつつ、揚げ上がりを待ちます。
花椒の香りただよう唐揚げのバラエティ
私がオーダーしたのは「手羽先からあげ盛合せ」(1,150円)。モモ肉、ムネ肉、手羽先の唐揚げが各2個ずつ盛られています。まずは手羽先からいってみましょう。甘辛いタレと花椒がふりかけられています。この花椒の香りが実にいい!この香りだけですでに美味しいものを食べた気分にひたれます。けっこう肉厚で可食部も多い手羽先。肉汁も豊富で、それがパリッと揚がった皮とも相性よし。この皮、揚げる前に表面を乾かしているんだとか。それだけにパリッと感が一層引き立つんですね。タレと花椒の協演も見事で、甘さの中に時折のぞくピリッとした刺激が肉の味を際立たせています。
この手羽先は子どもに大変人気なんだそう。チップの部分を手で持って食べられる手軽さと、甘ダレの美味しさがその理由のようです。子ども向けに花椒はかけないこともあるとのこと、たしかにこの刺激は苦手な子どももいるでしょうね。しかしこの花椒がいい仕事をしています。子どもたちよ!大人になればわかるさ!
次にムネ肉。これは食べてビックリ。ムネ肉とは思えないほどにフンワリ&ホックリした食感です。塩麹で下味をつけ、少しだけニンニクや魚介系のダシをきかせています。このニンニクやダシがこの唐揚げの味の伏兵。咀嚼後に肉を飲み込もうとするまさにそのときに、突如現れて口の中を席巻します。これが飲み込むのを一瞬躊躇してしまうほどに美味い。
モモ肉は醤油ベースの唐揚げ。皮で包むようにして成形されており、コロンとしたルックスが印象的です。この形状なら揚げたときに均等に熱が入りますね。旨みがギュッと閉じ込められていて、噛めばたっぷりの肉汁とともに舌の上に飛び込んできます。衣には青海苔がブレンドされていて、これが味にコクのようなものを加えています。醤油唐揚げというとこってりしたイメージがありますが、意外にあっさりしています。これならけっこうな個数を食べられそうです。
こちらでとくにおすすめしたいのはムネ肉です。最近はムネ肉唐揚げを出すお店が増えており、レベルもひと昔前とは比べものにならないほどに美味しくなっていますが、ここのものは群を抜いています。伏兵・ニンニク&ダシの余韻がいい!芳醇な後味といったところでしょうか。ほかではちょっと味わえない、斬新な味わいの唐揚げです。
(取材年月日:2023年4月19日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。