埼玉県三郷市|キッチンBUS STOP|お弁当の概念を超越!?鶏丸ごと1羽分を使用した度肝を抜かれる唐揚げ弁当
スクールバスから二階建てバスまで6段階のデカ盛り唐揚げ弁当
店内に入るとデカ盛り唐揚げ弁当がズラリ!
テイクアウト需要の高まりもあって、唐揚げ弁当が人気です。特に最近トレンドのジャンボサイズ唐揚げを盛り付けるお店や、フタが閉まらないほどに唐揚げをたくさん入れた“デカ盛り”弁当にして販売するお店も増えています。
フタが閉まらないと聞くと「SNS映えを狙ってる?」と思ってしまうかもしれません。しかしこれには意外に合理的な理由があるのです。揚げたての唐揚げを容器に入れ、隙間なくピッタリとフタをしてしまうと、容器内に湯気がたまり、唐揚げの食感が変化してしまいます。それを防ぐためにあえてフタが閉まらない盛り付けにして、湯気が適度に逃げていくようにしているんですね。
さて、そんなフタの閉まらないデカ盛り唐揚げ弁当を提供するお店は数多ありますが、今回ご紹介するのは埼玉県三郷市にある『キッチンBUS STOP』。東武バスセントラル・岩野木橋停留所の目の前にあり、バスストップと一体化したかのようなお店です。デカ盛り唐揚げ弁当をメインに販売しており、サイズは6段階。スクールバス盛り(SSサイズ)、マイクロバス盛り(Sサイズ)、小型バス盛り(Mサイズ)、中型バス盛り(Lサイズ)、大型バス盛り(LLサイズ)、そしてその上をいく二階建てバス盛り。いずれもフタが閉まりません。バスのサイズに見立てたネーミングもユニークです。
丸ごと1羽分を使用!「唐揚げ弁当の最終形」のお弁当
「丸鶏唐揚げ弁当」(880円)。たしかにフタが閉まらない盛り付けです
いただいたのは、このさらに上をいく逸品「丸鶏唐揚げ弁当」(880円)。なんと鶏丸ごと1羽分を唐揚げにしてお弁当にしたものです。半身を揚げたものはよく食べますが、丸ごと1羽というのは滅多にお目にかかれません。居酒屋のコース料理で出されたことはありますが、お弁当では初めて。もはやお弁当の概念を超越しています。
店内の計量器で量ると容器を含めてちょうど1kg。ボリュームありますね。ごはんを大盛り(無料)にしてもらいましたが、そのごはんですらおまけのように見えてしまうほどのデカさです。
容器を含めて1kgピッタリ。店内に計量器が置かれているのも面白いですね
どこからどうやって食べようか、悩みますが、それがこの手のジャンボ唐揚げの醍醐味。手堅く手羽元を外して実食スタートです。ひと口食べた瞬間、ごはん大盛りにしたのは正解だったと確信。味がガッツリ濃いめで、ごはんが進む味付けです。衣のおこげが香ばしく、これがまた食欲をそそること…。
フタが閉まらない、というよりフタがのっているだけのような…
手羽元やモモ肉は「プリン!」とした食感です。肉汁に包まれていて、舌の上をツルリと滑るよう。ムネ肉はしっとりした歯ざわりでこれも美味。手羽先はうま味十分で、骨までしゃぶってしまいたくなるほどです。いろいろな部位を楽しめるのも、丸揚げや半身揚げのいいところですね。カニでも食べているように、無心・無言で食べ続けてしまいました。
容器からはみ出す勢いの丸鶏唐揚げ。大盛りのごはんが少なく見えます
さて、オーナー・中村巧さんによると、この丸鶏唐揚げ弁当は「唐揚げ弁当の最終形」として生み出したものだそうです。たしかに二階建てバスが出てきたら、もうあとはないかもしれません。「いやいや、連節バスがありますよ!」と言ってしまった私ですが「連節バスは豚バラ唐揚げ弁当でやっているんです」と中村さん。すでにバスはすべてコンプリートしていたのですね。失礼いたしました…(汗)。
(取材年月日:2021年11月15日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。