唐揚げコラム

東京都台東区|鳥陣|お酒のおつまみにピッタリ!老舗焼鳥店が作る大山どりの唐揚げとは

風格あるたたずまいの『鳥陣』

創業46年の老舗焼鳥店の唐揚げとは

焼鳥店の唐揚げは旨い。これは私が経験から導き出した経験則のようなものです。鶏肉のことに精通したお店が提供する唐揚げはやはり美味しいといえるのではないでしょうか。

JR御徒町駅南口から徒歩5分ほどにある『鳥陣』もそんなお店のひとつ。創業46年の老舗で、大山どりを使った料理にこだわっています。メインは焼鳥ですが唐揚げも美味。秋葉原に近いこともあって、アニメファンや外国人観光客などにも人気のお店です。

衣が抜群の旨さ!大山どりの旨みもしっかり

「とり唐揚げ」は4個。ていねいに盛り付けられていて、この時点でテンションがあがってしまいます

こちらでいただいたのは「とり唐揚げ」(825円)。大山どりを醤油やニンニクなどで味付けし、片栗粉をまぶして揚げています。ひと噛みすると「サクッ!」と軽やかな咀嚼音。爽やかな歯ざわりの衣です。ほんのりとしたおこげがまた香ばしくて美味しい。衣の時点ですでにハイレベルな味わいです。食べ進めると「サクッ!」から「シャリシャリ!」という食感に変わっていきます。

口へ運ぼうとすると、かすかに香ばしい香りとニンニクの風味が…

肉はふっくら柔らかで、旨みもしっかりしています。さすが大山どりの唐揚げですね。醤油やニンニクの風味ともケンカしない美味しさ。肉汁もたっぷりで、それが衣を取り込みながら肉と一体化させていく印象です。飲み込んだあとも、その旨みが口の中にしっかり残って、余韻を楽しめます。

肉汁もたっぷりで、これが衣と溶け合うようにして肉と一体化させてくれます

軟骨の唐揚げは食べ始めるとエンドレスに!?

そしてもうひと品。「なんこつ唐揚げ」(528円)もいただきましたが、これが抜群の旨さ!軟骨周辺の肉も一緒に揚げているので「コリフワ」な食感です。これはクセになる!食べ始めたら止まらなくなるパターンです。お皿と口の間をお箸がひたすら往復してしまうほどで、あっという間に完食してしまいました。

「なんこつ唐揚げ」は一度食べ始めると無限に食べ進めてしまうような美味しさ!

冷めても味が落ちないよう肉のセレクトにこだわる

ところでこちらの唐揚げ、ある程度冷めても美味しく食べられるように肉のセレクトからこだわっているそう。お酒のおつまみとして食べるお客さんが多いということを見越しているといいます。ランチの定食などは揚げたてをサッと食べて…となりますが、お酒の席では仲間とおしゃべりしながら食べるため、箸を付けるのが遅くなってしまうこともあります。するとどうしても揚げたて、といわけにはいかなくなりますね。冷めると臭みが出てしまう肉もあるようですが、大山どりにはそれがほとんどないんだとか。

みんな大好きな唐揚げです。仲間同士で遠慮し合って最後にひとつだけ残る…という光景、よく見かけます。そこまで計算してのことなのでしょうか。私もそんな場面に出くわしますが、そのときは躊躇なく同席者に譲ります。すると相手も一瞬遠慮するのですが、私が用意している次のひと言で相手は安心して”ラスイチ”唐揚げに手を付けるのです。「私、ほぼ毎日唐揚げ食べてるんで」。

(取材年月日:2024年3月18日)

鳥陣

[住所]東京都台東区上野3-7-2
[電話]03-3836-3389

店舗情報 Webサイト

松本 壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。