東京都用賀|孤高のからあげ|1個が約70gほど。創業以来守り続けるジャンボサイズの唐揚げ
「流行に左右されない」という店主の想いが唐揚げに
東急田園都市線・用賀駅の東口を出て2~3分ほど歩くと「唐揚弁当」と書かれた幟が目に入ります。ここがテイクアウト専門の唐揚げ店『孤高のからあげ』。その店名に強いこだわりを感じずにはいられません。「流行に左右されずに美味しい唐揚げを作っていきたい」というご主人は、昨今の唐揚げブームについても「ブームが来ても来なくても、自分が作ってきた唐揚げを作り続けていくだけ」と話します。
モモ肉の唐揚げは1個が70gほどもあるジャンボサイズ!
そんなご主人の作る唐揚げをさっそくいただきましょう。こちらで使用する鶏肉は鳥取県産の大山鶏と宮崎県産、ブラジル産の3種類。このうち、大山鶏と宮崎県産鶏のモモ肉唐揚げと、砂肝の素揚げを実食です。モモ肉唐揚げは1個70g前後はあろうかというジャンボ唐揚げ。最近トレンドのジャンボ唐揚げですが、こちらはその時流に乗ったわけではなく、創業当時からこの大きさ。
まずは大山鶏から。1gあたり4.27円で計算する量り売りがこちらの特徴。1個では物足りないと思ってしまった私は2個オーダーしたため150gほどになりました。片栗粉のみの衣はジャリッとした、やや固めの歯触りです。この衣がやわらかい肉にマッサージをされるように徐々にほぐれて、肉汁に溶かされながらジャリッからシャリッとした食感になっていきます。大山鶏のコクのある味わいが肉汁に溶け込んでいるのがわかります。そこに衣の香ばしさも加わって、噛めば噛むほど口の中で味が変化していくのが楽しい。
宮崎産鶏も衣や肉の食感は同じですが、大山鶏に比べてほんのかすかな甘みを感じます。大山鶏のコク深さよりも爽やかさを感じる肉の味。いずれもニンニクは使用せず、しょうがベースのタレで味付けをしているせいか、肉のうま味もしっかり味わえます。
お酒に合わせてみたい砂肝の素揚げ
砂肝の素揚げは文字通り、塩のみで味付けして衣を付けずに揚げたもの。これまたデカい!丸々1個使っています。通常、砂肝の唐揚げや焼鳥店の砂肝串はこの半分のサイズですね。私もこれまでにいろいろなお店で砂肝唐揚げを食べてきましたが、ここまで大きいものは初めてです。第1食感は期待通りのコリッとしたもの。歯が締め付けられるようなキュッとした弾力を一瞬感じたかと思うと、フワッとした歯触りの中から砂肝特有のうま味があふれてきます。塩加減も絶妙で、これはお酒のアテにもいけそうです。
ところでこちらのお店では、小麦粉や卵、乳製品など、アレルギーを引き起こす可能性のあるものは使用していません。そういった心遣いがあるからか、お店には「子どものお弁当用に」とわざわざ車で買い求めに来る人もいるそうです。
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。