唐揚げコラム

東京都新宿区|からげんき|朝〆鶏にこだわった焼鳥店の名物唐揚げ&甘辛タレが絶品のモモ肉唐揚げを味わってみた

西武新宿線・新宿駅から至近の『からげんき』

焼鳥店の名物唐揚げとは?

焼鳥屋さんの唐揚げは美味しい―――――

これは以前から私が何かにつけて言っている持論です。焼鳥屋さんは鶏肉のことを熟知しているせいか、私の経験上、高確率で美味しい唐揚げを食べさせてくれます。いまのところ、この持論をひっくり返してしまうような焼鳥屋さんに遭遇したことはありません。今回ご紹介する『からげんき』もそんなお店のひとつ。メインは焼き鳥ですが、唐揚げもこちらの名物料理になっています。

希少部位の焼き鳥がズラリ。これは唐揚げも期待できます

使っているのは新鮮な朝〆鶏

特筆すべきは新鮮な朝〆鶏を使用していること。朝〆鶏とは文字通り、朝絞めたばかりの鶏です。絞めたあとは死後硬直が始まり、約12時間後にはそれが解けると言われています。このタイミングの鶏肉はアミノ酸も豊富で旨みも強いのだとか。

いただいたのは「特製鶏のから揚げ(骨付き)」(825円)と「から揚げ(もも)やみつきだれ」(715円)。「特製鶏のから揚げ」は醤油味と塩味の2種類から選べます。私はこちらにお邪魔したときはいつも醤油味をいただいていますが、今回は塩味にトライしてみます。揚げるのに20分ほどかかるとのこと。

甘辛タレ×スパイス×旨みの見事な三重奏!

「から揚げ(もも)やみつきだれ」はその香りだけでKOされそう!

まずはオーダーから5分ほどで出てきた「から揚げ・やみつきだれ」から。やや大きめサイズのコロンとしたフォルムの唐揚げが5個。ほんのりとスパイシーな香りが漂います。この香りで胃袋が目覚めますね。衣に歯を立てると、薄い衣に甘辛いタレとスパイスが見事になじんでいるのがわかります。

肉汁が温泉の源泉のように湯気とともに湧き出てきます

肉まで歯が到達すれば、そこにはこんこんと湧き出る肉汁が。これが肉の旨みをよく含んでいます。その肉汁と甘辛いタレがこれまた絶妙にマッチしているではありませんか!噛むほどに両者がじわじわとブレンドされていって、美味しさ倍増。これはその名の通り、やみつきになりそうな味の唐揚げです。

一度食べ始めると骨だけになるまで無言に…

「特製鶏のから揚げ(骨付き)塩味」は店内の灯りに照らされてキラキラしているよう

「から揚げ・やみつきだれ」を完食したころに、お待ちかねの「特製鶏のから揚げ」の登場です。なんというボリュームでしょう。鶏1羽の約4分の1を使用しているそうです。これは揚げ時間が20分かかるのもわかります。醤油味とは違って色が白くてなんだか美しい。

部位は手羽元とムネ。まずはムネ肉からいってみます。軽く歯を立てただけで肉汁が噴き出すのでヤケドに注意。ムネ肉唐揚げでここまで肉汁が出てくるものはちょっと珍しいですね。ほっくりとしていて歯ざわりも心地よい。噛みすすめると塩の風味が追いかけるようにして口の中に広がります。

ほっくり食感のムネ肉は肉汁も十分でヤケドに注意!

続いて手羽元へ。骨付きなので食べやすいかなあ…なんて思っていましたが、片手でつかむとけっこうな重量感。揚げたてアツアツですが、両手でつかんでガブリといけば、これまた肉汁の先制攻撃!ムネ肉よりもフンワリした食感で、肉汁にはかすかな“とろみ”のようなものも感じてしまいました。

骨付きの手羽元は片手で食べるよりも両手でつかんでかぶりつきたい

これ、食べ始めると止まりません。グループで来店したお客さんは、カニを食べるときのようにみんな無言になってしまうんじゃないでしょうか。そして気づけば骨だけが残っているという状態。

骨の周辺の肉は骨ばなれがよく、軽く歯を入れるだけでスルリとはがれてくれます。肉汁まみれの肉が舌の上を滑るようにして口の中に入ってくるのでこれまたヤケド注意です。

サッパリしたお通しは唐揚げの合間に食べるのがオススメ

ちなみにこちら、お通しで葉野菜のサラダが提供されますが、これがサッパリしていて実に美味しい。最初に完食してしまわず、唐揚げの合間に少しずつ食べるようにすると、ちょうどいい口直しになり、次の唐揚げを美味しくいただくことができます。

(取材年月日:2024年5月23日)

からげんき

[住所]東京都新宿区歌舞伎町1-26-1 風月会館ビル1F
[電話]03-3204-7277

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松本 壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。