東京都台東区|からあげサイダー フタバ|酒屋さんならではの麹唐揚げをクラフトビールと楽しむ!
フードロスにも取り組む老舗の酒屋さんが作る発酵唐揚げとは?
酒屋さんならではの麹を使った唐揚げが味わえる!
東京・蔵前。江戸時代に幕府の米蔵があったことがその地名の由来とされ、最近は“ものづくりの街”と
して、多くのクリエイターや職人が集まるエリアとしても知られています。そんな蔵前にあるのが今回
ご紹介する『からあげサイダー フタバ』。かつて同店がサイダー工場を営んでいたことにちなんだ店名
なのだといいます。
隣接する『カクウチカフェ フタバ』はクラフトビールなどアルコールメニューも豊富
こちらで味わっていただきたいのが、自家製の塩麹ダレに漬け込んだ発酵唐揚げ。テイクアウト専門店
なのでイートインはできませんが、今回はお店側のご厚意により、隣接する『カクウチカフェ フタバ』
の店内でいただくことができました。店名からわかる通り、両店の運営母体は同じ。『酒のフタバ』と
いう酒類販売業を営む、昭和19年創業の双葉食品株式会社です。酒屋さんが作る唐揚げを味わえるとい
うわけですね。鶏肉は100%国産、揚げ油は体にやさしい太白胡麻油を使用しているとのこと。素材に
もこだわっています。
麹の効果で肉質やわらか!むね肉もしっとり&ほっくり
まずはスタンダードに「もも肉・5個入り」(650円)と「むね肉・2個入り」(300円)をオーダー。5
種類の自家製発酵だれ(醤油麹みりん・酒粕チーズ・発酵カレー・酢ラー油・甘酒マヨネーズ)から好
きなものをひとつ選ぶことができます。「もも肉」は一番人気という醤油麹みりんを、「むね肉」は甘
酒マヨネーズをセレクトしました。
唐揚げはコロンと真ん丸いフォルムです。「このほうが揚げたとき、肉に均等に熱が入っていくんです
」とスタッフの小倉剛さん。断面を見ると、たしかにていねいに成形されているのがわかります。試行
錯誤の末、この形状になったんだとか。
さてその「もも肉」は麹にしっかり漬け込んでいるせいか、ふっくらやわらかい肉質。かすかな甘みも
感じます。衣は薄く仕上がっており、ひと噛みすると肉とスムーズに一体化する印象。醤油麹みりんは
爽やかな風味の甘じょっぱい味わいです。「むね肉」はしっとり&ほっくりとした歯ざわりで、特有の
固さはありません。甘酒マヨネーズがいいアクセントになっています。
もうひと品、「海鮮もも肉からあげ」(2個・380円)もオーダーしました。麹のほかエビやホタテをベ
ースにしたタレに漬け込んだものです。これは海鮮の風味が実にいい!エビやホタテのエキスがしっか
りしみ込んでいるせいか、なにやら高級感ある味わいです。これはお酒のアテにいけそうです。
クラフトビールとともに唐揚げを味わうこともできる!
唐揚げを実食させていただいた『カクウチカフェ フタバ』はクラフトビールなどを楽しむことができる
お店ですが、店内でこの発酵唐揚げをオーダーすれば、お隣から“デリバリー”されてくるシステム。お
つまみとして楽しめますね。
ところでこちらの『フタバ』の両店、使える資源は大切にし、環境に配慮した取り組みをおこなってい
るそう。小倉さんによると「むね肉」唐揚げを作るときに生じた肉片を使って「チキンジャーキー」を
作って店内で提供しているそう。また鳥皮なども余った部分を堆肥として活用。屋上栽培のハーブを副
原料に使用したクラフトビールプロジェクトにも協力しているといいます。フードロス削減にも貢献しているお店なんですね。
(取材年月日:2024年7月19日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。