東京都台東区|東京浅草チキン|美味しさ&楽しさを兼ね備えた唐揚げ専門店を目指して。元お笑い芸人が揚げる唐揚げとは?

 
ドン・キホーテ浅草店の1階外にある『東京浅草チキン』

元お笑い芸人が妻とともに始めた唐揚げ専門店!

美味しい唐揚げを食べると幸せな気分になれる。そんな人は多いでしょう。かく言う私もそのひとりですが、幸せなだけでなく、買いに行くのが楽しくなってしまう唐揚げ専門店を発見したのでご紹介しましょう。場所は東京・浅草。明治時代から劇場や映画館が多く建ち並び、日本初の遊園地とも言われる「浅草花やしき」や、落語や漫才を楽しめる「浅草演芸ホール」などがあります。古くから東京のエンタメの聖地でもあった街です。

そんな浅草の、六区ブロードウェイ商店街にあるのが『東京浅草チキン』。テイクアウト専門の唐揚げ店です。店主のハッピー溝上さんは元お笑い芸人。佐賀県武雄市の出身で、東京の芸能プロダクションに所属して芸人として活動していた時期もある人です。2022年6月に一念発起、妻のぷりてぃ溝上さんとともにこのお店をオープン、今年開催された第14回からあげグランプリ・塩ダレ部門で金賞も受賞しています。

味のベースは「おばあちゃんの味」という素朴系唐揚げ

からあげグランプリ・塩ダレ部門で金賞を受賞した唐揚げ。きちんと整形されているのがわかります

こちらの唐揚げのこだわりを聞いてみると「子どものころに、佐賀の祖母が作ってくれていた唐揚げの味がベースになっています」とハッピーさん。一度も冷凍していない九州産若鶏を使用し、おばあさま直伝の自家製塩ダレに24時間以上じっくりと漬け込んでいます。

肉汁も十分。ていねいに下処理されているのがよくわかる味わいの唐揚げです

さあその唐揚げをいざ実食。ひとつひとつていねいに整形されており、コロンと真ん丸なかわいらしいフォルムに見とれてしまいます。しかしけっこうな大きさでボリューム感も抜群。“つよかわいい”印象の唐揚げですが、味も見事。塩ダレ部門金賞というのは伊達ではありません。塩が実にいい働きをしているではありませんか!肉本来の旨みが口の中を席巻した直後に追い打ちをかけるように広がる塩の旨み。漬けダレにしっかり漬け込んでいるだけあって、肉も柔らかく仕上がっています。歯を軽く跳ね返すような微かな弾力もいい!声に出さずとも、心の中で「旨い!」と叫んでしまう美味しさです。

美味しいだけじゃない!楽しい唐揚げ店を目指して

お店はドン・キホーテの1階外にあります。紅白のストライプ模様の中にレトロ感ある青い文字で書かれた店名がまたオシャレでかわいらしい。唐揚げは1個(200円)から購入可能ですが、8個以上になると、お店の外観デザインに合わせた箱に入れてくれます。これまた映えますね。お土産にすると喜ばれそうです。

7個以上購入で、レトロ感あるかわいらしい箱に入れてくれます

店主のハッピーさんはさすが元お笑い芸人というだけあって、トークもお上手。唐揚げを購入するときも、カウンター越しに楽しく語りかけてくれます。私も買いにいくたびについつい話しこんでしまうほどに引き込まれます。

店主のハッピー溝上さん(右)と妻のぷりてぃ溝上さん(左)。外国人観光客にも人気のおふたりです

浅草が大好きで、ここにお店を出したというハッピーさんは「美味しいだけじゃなく、楽しい唐揚げ店にしたい」と話します。浅草といえば古くはエノケンや古川ロッパ、最近はビートたけしさんや萩本欽一さんなど、レジェンドともいうべき有名な喜劇俳優や芸人をたくさん輩出してきた街。そんなところで元芸人のハッピーさんがお店を始めたというのも何かの縁かもしれません。聖地・浅草に、新たなエンタメスタイルの芽吹きを感じました。

購入した唐揚げは、お店の前のテーブルでも食べることができます。外国人観光客にも大変人気のある唐揚げです。

(取材年月日:2023年9月19日)

東京浅草チキン

[住所]東京都台東区浅草2-10-1
[電話]03-6802-8687

店舗情報 WEBサイト

松本 壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。