東京都練馬区「龍華園」|さっぱり系のコクを生むのは自家製ネギ油!ごはんがすすむボリューム満点の町中華唐揚げとは
「旨・安・大」の唐揚げを求めて学生街へ!
学生の集まるところにウマいものあり―――。これはなかなか言い得て妙なのではないでしょうか。もっと言えば、安くてボリュームのあるウマいものに出会える確率も高くなるような気がします。
西武池袋線・江古田駅周辺は日本大学や武蔵大学のキャンパスがあり、若い学生が多い街です。今回ご紹介する『龍華園』は、江古田駅から歩いて数十秒のところにある、いわゆる“町中華”。店主の湯賀忠さんと妻の園栄さんが切り盛りするお店です。店名は長男・伯龍さん、長女・玲華さん、そして妻の園栄さんからそれぞれ一文字ずつ取ったものなんだそうで、店名からすでにアットホーム感が伝わってきますね。
キャベツが見えない!?てんこ盛り唐揚げ定食!
こちらの人気メニューのひとつが「唐揚げ定食」(850円)。付け合わせの千切りキャベツがすっかり隠れてしまうほどにドッサリと盛り付けられた唐揚げが好評のようです。
さてこの定食、パッと見で、大小さまざまなサイズの唐揚げが10個以上はのっかっています。40g前後の唐揚げが5~6個盛られた、一般的な唐揚げ定食とは明らかに違いますね。唐揚げ好きならばこの時点でテンション爆上がり間違いナシ。ひと噛みすると、フンワリしたやさしい食感にちょっと驚きます。衣は「シャリッ!」
とした歯ざわりですが、歯を立てなくても上下の唇だけでも十分なんじゃないかと思ってしまうほどです。
衣の向こうにある肉はやわらかさに弾力も加わっています。歯に軽く抵抗するその弾力感がいい。肉に圧がかかるように歯が沈み込んでいくので肉汁もほどよく出てきます。
オリジナルのネギ油がさっぱり系のコクを生み出す
おつまみでもいけそうな味わいですが、定食というスタイルにピッタリな唐揚げという印象です。普通の醤油唐揚げにはない、コクと香ばしさがあって白いごはんがすすみます。なんでも店主・湯さんオリジナルのネギ油で揚げているんだとか。こってり系のコクではなく、さっぱり系のコクがあるのはネギ油のなせる業。ときどきごはんの上にのせて食べてみるのもいいですね。
唐揚げを食べすすめていくと、ようやく千切りキャベツとご対面。唐揚げの味がほんのりとしみて、これまた美味。マヨネーズをからめて一気に食べてしまいました。
ところで私がお邪魔したのはランチのピークを避けた時間帯。それでも店内には大学生風の若いお客さんがけっこういました。こちらは定食だけでなく麺類メニューも充実しており、しかもけっこうなボリュームなので、何を食べてもみなさん満足できるんでしょうね。
(取材年月日:2024年10月28日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。