東京都中央区|平成オペラ座|ピンクのタルタルソースは意外にもさっぱり和風で万能型!タルタルリスト必食のチキン南蛮
唐揚げの親戚、チキン南蛮を食す
揚げたての鶏肉を甘酢にくぐらせ、たっぷりのタルタルソースとともに食べるチキン南蛮。お弁当屋さんでも定食屋さんでも大人気で、最近は居酒屋さんのおつまみとしてもすっかり定着しており、国民食のひとつといってもよいでしょう。もともとは鶏の唐揚げを甘酢に漬したもので、そこから独自の発展を遂げてきたチキン南蛮は、厳密には唐揚げとは別物と考えたほうがよいかもしれません。しかしそのルーツを考えれば唐揚げの親戚ともいえるものです。
こだわりのピンク色タルタルソース
さてチキン南蛮といえばタルタルソースをイメージする人も多いでしょう。最近はタルタルソースにこだわったお店も増えています。今回ご紹介する『平成オペラ座』は、ピンク色のタルタルソースで食べるチキン南蛮が人気のお店。これが見た目に美しくもかわいらしく、アーティスティックともいえそうな逸品なのです。
お店は地下鉄東銀座駅から徒歩1分ほど、歌舞伎座のすぐそばのビルの1階にあります。いただいたのはランチタイムの人気メニュー「唐あげ南蛮定食」(1,000円)。写真をご覧ください。たっぷりとかけられたピンクのタルタルソースが映えますね。唐揚げが隠れてしまうほどにかけられており、タルタルソースだけスプーンですくって食べたくなります。
まずはそのタルタルソースをひと口。一瞬強めの酸味が広がりますが、すぐにさっぱりとした味わいに変わります。かすかに甘みもあり、シャキシャキした歯ごたえがたまりません。細かく刻んだしば漬けやらっきょうを使用しており、カツオ節で出汁をとっているそう。ピンクの色彩はしば漬けによるものでしたか。フライなどを食べるときに使うものとは違って、どことなく和風な味わいがあります。
唐揚げとタルタルソースの絶妙なコンビネーション
唐揚げには甘酢がしっかりとからんでいますが、衣がそれに負けていません。パリッとした食感が健在です。甘酢をほどよく吸収して心地よい歯ざわりと舌ざわりを生み出しています。その甘酢は数種類の酢をブレンドしているそう。一般的な甘酢は酸味や甘さが前面に出てきますが、こちらの甘酢はそこにほのかな香ばしさが加わっています。これが全体の味に深みを与えています。
唐揚げは1個40gほどはありそうな大きさ。やはりこれくらいのサイズのほうが肉がジューシーになっていいですね。ひと口では食べ切れないサイズなので、半分くらいを歯でカットしてふた口くらいで食べるのがベターでしょう。そのときは断面にタルタルソースをからませて食べると、肉汁との絶妙なコンビネーションで美味しさが増します。
ところでこのピンクのタルタルソース。ごはんのおともにもいけます。唐揚げにたっぷりからませてごはんにのせれば、おかわりがほしくなるほどにごはんが進む!ごはんだけでなく千切りキャベツにもなじんでいるので、これも美味しくいただけました。
素晴らしいものを作り出してくれたものです。近くに歌舞伎座というロケーションが影響しているわけではないのでしょうが、「さっぱり和風」の味わいが他のものと一線を画しますね。揚げ物にもごはんにも生野菜にも合う、万能型かもしれません。近い将来、瓶詰で発売されることを期待しています(笑)。
(取材年月日:2023年4月25日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。