兵庫県尼崎市|あっちゃん弁当|兵庫の南東に位置する街・尼崎の老舗唐揚げ店を楽しむ
地味で派手でややこしい街、尼崎
株式会社ニチレイフーズが行った2020年の全国唐揚げ消費量調査によると、1位は各地の九州物産展でも大人気を誇る、唐揚げといえばの大分県でした。特に中津の唐揚げはお土産に博多駅でも買え、もはや大分を飛び越えて九州の名産となっています。次いで2位は千葉県、そして北海道という結果に、日本のあらゆるところで唐揚げが愛されていることがわかります。
今回ご紹介するのは、大分(南)でも千葉(東)でも北海道(北)でもない、兵庫(西)の地方都市尼崎に、実に40年以上脈々と受け継がれてきた唐揚げで有名なお店、「あっちゃん弁当」の唐揚げです。
尼崎といえば阪神間の中核都市。兵庫では「いやあそこ大阪やろ」と若干仲間外れにされ、阪神タイガースのお膝元で、ダウンタウンの出身地として有名で、たまに何かしらの事件で話題になる街です。
あっちゃん弁当は、その名の通り当初はどこにでもあるお弁当屋さんでした。
尼崎の中でも駅名に「尼崎」を入れないことで有名な阪急電車の沿線に店舗があり、阪急武庫之荘駅から南に伸びる並木道に本店、同沿線の塚口の駅前に持ち帰り専門店、住宅街には弁当店、そのほかにもショッピングモールに支店ができ、店舗のある場所のニーズに合わせて限定メニューを用意するなど常に工夫を凝らしている地域密着型のお弁当屋さんです。なんと最近では塚口店が直線で800メートルほどしか離れていない焼き鳥専門店と唐揚げのコラボを始めました。一体なんの意味があるんやろう?と地元民も首を傾げる不思議なコラボだと思っていたら、どうやらコロナ禍を乗り切るための助け合いの意味があったようです。さすが地域密着型。
去年、武庫之荘本店がリニューアルしたので、現在ある店舗のうち一番貫禄があるのは塚口店になります。この日は食事時ではなかったので閑散としていますが、休日の夕食どきとなると周囲は車と自転車で大渋滞になります。
メニューも豊富ですが、やはり一番人気は唐揚げ弁当。かつてはこのボリュームで500円でした。
特製のタレに何時間も漬け込んで仕込む唐揚げは、店舗の前を通るだけで香ばしい良い匂いを漂わせるほど。注文してからあげるため混み合うと時間は少々かかります。
ちなみにこちら、5個入りですがそんなに食べれないという方のためにミニの3個入りができたそうです。お値段は390円。元取れてるか心配になるお値段。
漬け込んだ秘伝のタレの色がついてこちらは唐揚げ専門店の方では黒唐揚げと呼ばれているそう。対して、持ち帰り専門店にあるタレに漬け込んでいない白唐揚げはあっさりとした塩味で、オーソドックスな唐揚げの味が楽しめます。
一口齧ると、さくっとした衣の濃厚な味が口中に広がります。最高の歯触り!続いて、ジューシーな肉汁がジュワッと溢れ出る。熱々ながら肉は柔らかくしっとりしていて、噛めば噛むほど美味しさが増していきます。
ただ、やはり味が濃いだけあって、これだけのボリュームとなると2つほど食べたら若干飽きてくるのが人間というもの。
そういう時にももちろん対応してくれるのがあっちゃん弁当のにくいところです。
飽きたら気分を変えれば良いんでしょ、ということでセルフ味変。
この辛子が最高に唐揚げに合うんです。味が濃い唐揚げならではの食べ方!
ちなみにこのトッピングはご飯にも合うので、お弁当店舗では敢えてこのセレクトなのだとか。
各店舗のトッピングはたこ焼きなみ
持ち帰り用の店舗には白唐揚げがありますが、モールの方ではネギ塩だったりマヨネーズだったりと様々なトッピングができます。唐揚げはたこ焼きなのか?と思わず突っ込みたくなるのは置いておいて、限定のお弁当も用意されているのでどこに行っても何かしら新しい美味しいにありつける店舗展開。
全部制覇したくなる唐揚げ好きの心をついてくるところが地味にずるい。通わずにはいられなくなるよう工夫されているのが地域密着型のお店のうまいところだと思います。
店舗ごとに少しずつ工夫されてるのが心憎い。
大阪と神戸の美味しいとこどりしてる尼崎そのものやん。
さすが阪神で地味に老舗の看板貼ってるだけはあります。お近くの方もそうでない方も、機会があればぜひ食べてください!
詩部 ひより
アメドラとコスメと美味しいものが大好きなライター兼何でも屋。趣味は弾丸旅行とコスメパトロールとカフェめぐり。「ちょっとお茶しよ〜」が口癖。とにかくお茶をしたがる関西人。好きな唐揚げの部位は腿肉。衣はサクサクでジュワッとしている食感をもとめて食べたり作ったりする。目下の疑問は「フライドチキンは唐揚げの一種なのか唐揚げそのものか」。