東京都港区|発酵居酒屋5|衣と肉の食感ギャップにKO必至!自家製塩麹ダレに漬け込んだ「発酵唐揚げ」
“発酵”をテーマにしたこだわりの居酒屋
健康や美容によく、保存性にも優れた発酵食はとても人気があり、その調理法はいろいろな料理に活用されています。発酵食品は百貨店の地下食品売り場やお弁当などでも見かけることが増えました。唐揚げの世界でも糀を使った”発酵唐揚げ”を提供するお店が登場しており、食のジャンルを問わず評価の高い調理手法と言えそうです。
今回お邪魔した『発酵居酒屋5』は、そんな“発酵”をテーマに無添加、手作りにこだわった居酒屋さん。こちらでとくに人気のあるのが発酵唐揚げです。お店の入り口には「発酵からあげ」と書かれた提灯も下げられており、何やら「名物」の予感もします。
“発酵”唐揚げを食べてみる
オーダーしたのは「発酵唐揚げ盛り合わせ」(1,320円)。1個およそ70gほどはありそうなジャンボ唐揚げが3個盛り付けられており、ナイフとフォークでいただくというスタイルもユニークです。
自家製塩糀ダレで発酵熟成させた鶏肉の唐揚げ、衣はガリザク系食感。軽いおこげが香ばしくて実に美味しい。私は常々「衣は唐揚げの味を左右する」と言っています。衣の時点で満足感が一気に高まる唐揚げは安心できます。
その衣の向こうにひかえる肉には、ほどよい弾力感があります。軽く歯を押し当てるだけで肉汁がキュッと絞り出されてくるよう。糀に漬け込んでいるだけあって、歯に優しいほどに柔らかい仕上がり。たっぷりの肉汁をまとった肉は、油断していると舌の上でツルッと滑るようです。ほんのかすかに、肉には甘みも感じました。
食べるほどに、肉に香ばしいガリザク系衣が徐々になじんでいきます。衣は硬派な体育会系マッチョマン、肉は優雅な貴婦人といったところで、真逆の食感と風味の衣と肉のシャッフルが楽しい。外と中のギャップにやられつつ噛み進めると、衣が肉汁に溶かされながら「ガリッ!」から「シャリ!」という食感に変化していきます。驚いたのは、飲み込む瞬間まで衣の味が消えずにしっかり残っていること。香ばしい風味を最後まで楽しめるほどに衣の味が際立っていますが、肉の味とケンカすることがありません。衣×肉のコンビネーションをじっくり堪能できます。味変用に自家製の山椒醤油ダレが用意されています。ピリッとした刺激がある甘辛いタレで、肉の断面に軽くつけてみるのがおすすめ。
“発酵”系ドリンクもおすすめ
こちらは発酵レモンサワーや自家製酵素レモンスカッシュなど、唐揚げに合いそうな発酵系ドリンクが充実しています。唐揚げも1個単位(440円)で追加できるので、グループで訪れてナイフとフォークで切り分けながら楽しむのがよさそうですよ。
(取材年月日:2023年2月20日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。