東京都巣鴨|吉吾|聖地・中津出身の料理長が揚げる本場の「中津からあげ」を味わう
からあげの聖地・中津の名店が東京・巣鴨に!
“からあげの聖地”と呼ばれる大分県中津市。市内にはからあげ専門店が60店舗以上あるとも言われており、そのほとんどがテイクアウト専門店です。
①国産肉のみを使用
②作り置きはせずオーダーが入ってから揚げる
③いろいろな部位のからあげを楽しめる
④口の開いた袋に入れて新聞紙にくるんで提供
などの傾向が見られるのが中津からあげ。最近はそんなお店が首都圏にも増えましたね。中津にルーツを持つお店も都内で見かけるようになりました。
その中津に本店を置く『中津からあげ専門店 吉吾』。日本唐揚協会主催の〈からあげグランプリ〉で最高金賞を4回、金賞を6回受賞している超名店ですが、その味は東京・巣鴨でも楽しめます。
JR巣鴨駅の南口を出て、目の前の中山道を日本橋方向に3~4分ほど歩くと「中津からあげ」と書かれたのぼりが見えてきます。そして風に乗ってふわりといい香りが。からあげ好きならば、この時点でからあげレーダーが反応します。交差点の角っこにあるのが吉吾・巣鴨店です。
JR巣鴨駅南口から徒歩数分にある吉吾・巣鴨店。昨年8月にオープンしました。
ビギナーへのおすすめは「吉吾セット」
元祖からあげ、醤油からあげ、むね唐、砂肝、とり皮せんべい…。メニューには写真付きで美味しそうなからあげがズラリ。いろいろな部位のからあげがありますね。中津では古くからいろんな部位のからあげが食べられています。最近は首都圏でもそんなお店が増えました。そのスタイルは中津から持ち込まれたものだと、私は勝手に思っているのですが(笑)。
目移りしてどれを食べればいいのかわからない、という人にオススメなのが「吉吾セット」(650円)。好きなからあげ3個と砂肝とヤゲン軟骨のからあげがセットになったものです。私は元祖からあげ、塩からあげ、手羽先からあげをセレクト。お店の奥から漂ってくる食欲をそそる香りと、揚げ音を楽しみつつ、お店の前で待つこと約5分。お待ちかねの揚げたてが登場です。さっそくいただきます。
吉吾セット。左奥から塩からあげ、元祖からあげ、手羽先からあげ。手前左がヤゲン軟骨、右が砂肝。
菜種油で揚げていきます。
クセになる美味しさで再来店必至!
元祖からあげはこちらの一番人気。醤油ベースのタレにニンニクやリンゴなど10種類以上の旨みをブレンドした特製ダレに一晩漬け込んでいます。カリッとした歯ざわりの衣、フワッとした柔らかい肉。う~ん、この食感だけでたまりません。濃厚な味と肉のうま味が、肉汁とともに舌の上になだれ込んできます。アツアツなので、ホフホフ言いながらペロリ。続いて塩からあげ。あっさりしていますが、これまたうま味の威力が絶大。肉汁まみれの肉がプリッとした官能的な舌ざわりを演出しています。手羽先は肉厚なのが嬉しい。塩味がいい仕事をしています。骨までしゃぶりつきたくなる旨さ。
ヤゲン軟骨は鶏の胸骨の先端部分です。二層食感とも言うべきか、コリコリした食感に、トロリとした舌ざわりがたまりません。砂肝もコリコリ食感ですが、柔らかさがあって噛むほどにうま味がジリジリとにじみ出てくる感じです。飲み込むのがもったいない…。そんな味わいで、のどの奥に消えていく瞬間が実に名残惜しい。このヤゲン軟骨と砂肝はなんとも魅惑的で、一度食べ始めると“かっぱえびせん”状態。無性にビールが欲しくなりました。
さて、ひと通り完食したあとの率直な感想をひと言。「もう1セット買っておけばよかった…」でした。お店に引き返したくなるほど後を引く、中毒必至のからあげです。
料理長の金子聡さん。からあげの聖地・中津のご出身です。
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。