東京都中央区|三笠会館 Italian Bar LA VIOLA| イートイン唐揚げの元祖!守り受け継がれたレシピが生み出す伝統の味とは

『三笠会館 本店』。伝統の唐揚げは1階の『Italian Bar LA VIOLA』で味わえます
『三笠会館 本店』。伝統の唐揚げは1階の『Italian Bar LA VIOLA』で味わえます

老若男女問わずみんな大好きな鶏の唐揚げ。定食でもお弁当でも居酒屋メニューでも大人気で、日本人の代表的な国民食のひとつと言ってもよいでしょう。私たちの食生活にすっかり定着している鶏の唐揚げですが、その歴史は意外にも古くはありません。
日本の一般家庭で鶏の唐揚げが食べられるようになった時期ははっきりしていませんが、アメリカからブロイラー生産技術が輸入されて以降の、1960~70年代ごろだと言われています。それ以前には唐揚げという調理法はあったものの、鶏肉を使うことはまだ一般的ではなかったようです。
そんな鶏の唐揚げの歴史を紐解いていくと、避けて通れないのが東京・銀座の『三笠会館』。日本で初めて鶏の唐揚げを外食メニューとして提供したと言われるお店です。1925年に『氷水屋 三笠』としてオープンし、1932年に業績回復のためにこちらで考案されたのが鶏の唐揚げでした。いまでも”伝統の味”として「三笠会館 伝統の味 骨付き鶏の唐揚げ」(1,500円)が提供されています。今回は『三笠会館 Italian Bar LA VIOLA(イタリアンバール ラ ヴィオラ)』で、その唐揚げを味わってきたのでご紹介しましょう。

「鶏の唐揚げ」はモモ肉、ムネ肉、手羽といろいろな部位を楽しめます
「鶏の唐揚げ」はモモ肉、ムネ肉、手羽といろいろな部位を楽しめます

オーダーから10分前後で出てきた唐揚げは、胡麻塩とマスタード、レモンとともにお皿に5個盛り付けられています。1羽の丸鶏を肉切りばさみでカットして、約4人前の唐揚げを作っているそうで、いずれも骨付き。食べにくい印象がありますが、実は骨付き肉が一番美味しい。骨の中の髄液には旨味成分が含まれており、骨に近い肉はそれ以外の部分よりも美味しく仕上がります。また骨の周囲は細胞が壊れにくく、水分が保持されやすいためジューシーさも増すのです。まさに”通好み”の唐揚げ。モモ肉、ムネ肉、手羽と、いろいろな部位がひと皿に盛られており、それぞれ違った味わいを楽しめるのもいいですね。

胡麻塩(左)とマスタード(右)が添えられています
胡麻塩(左)とマスタード(右)が添えられています

まずはムネ肉から。カリカリ系衣の向こうにひかえる肉には固さやパサつきは一切なく、ほっくりとした食感です。旨味も十分でムネ肉とは思えない柔らかさ。さっぱりした味わいなので練りからしを軽く付ければ味が引き締まってコクが出てくる印象です。
手羽はムネ肉よりもふっくら感があり、肉汁もたっぷりでトロッとした口あたり。肉の骨ばなれもよく、前歯を軽くひっかけるだけでホロリとはがれてくれます。胡麻塩を付ければ、ふっくらした肉にザラリとした舌触りが加わり、口の中の景色が変わるようでこれが何とも楽しい食感。

手前・上がムネ肉、下がモモ肉
手前・上がムネ肉、下がモモ肉

モモ肉はとくに秀逸です。ふっくら&ジューシーで、ひと噛みすると肉汁に溶け込んだ旨味がいきなり舌の上に!これは嬉しい不意討ちです。まさに旨味のステルス戦闘機、舌の滑走路に強行着陸されてはこちらの”完敗”。肉汁をたっぷりまとった肉が「プリンッ!」とした何とも心地よい舌触りで迫ってきます。これはクセになりそう!肉を飲み込んだあとも、しばらくはその旨味に舌を占拠されて、思わず「もうひと皿たのんじゃおうか…」などと考えてしまうほどの余韻を残す美味しさです。

手羽は肉の骨ばなれも良好で食べやすくとても美味!
手羽は肉の骨ばなれも良好で食べやすくとても美味!

衣と肉の食感が正反対で、そのギャップがまた楽しい。よく言う「外はカリッと!中はジューシー」のお手本のような唐揚げです。
淡口醤油に砂糖、焼酎をベースに胡麻油で香りづけをした秘伝のタレで味付けしているそうですが、もみ込まずに含ませるようにして味を付けています。そのためタレの味が前面に出ることがなく、肉の旨味をしっかりと味わえるんですね。たしかにどの部位も肉本来の旨味が際立っている印象でした。
メニュー化以来のレシピを受け継いでいるとのこと、さすがはイートイン唐揚げの元祖です。まさに伝統の味。唐揚げ好きならば一度は味わっておきたいものです。

 

(取材年月日:2022年12月13日)

『三笠会館 本店』。伝統の唐揚げは1階の『Italian Bar LA VIOLA』で味わえます

三笠会館 Italian Bar LA VIOLA

[住所]東京都中央区銀座5-5-17 三笠会館本店1F
[電話]050-3155-3289

Webサイト

松本 壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。