東京都キッチンカー|MOCHIKO CHICKEN FACTORY| ハワイのご当地唐揚げ・モチコチキン。日本での注目度も急上昇中!
逆輸入唐揚げ”モチコチキン”
みんな大好きな唐揚げですが、これは日本に限ったことではありません。世界各地には日本の唐揚げに相当する食べ物がたくさんあります。アメリカのフライドチキン、台湾の鶏排、韓国のヤンニョムチキンなどは日本でもおなじみですね。味付け、細かな調理法や材料は違っても、揚げた鶏肉が愛されるというのは世界共通、そこに国境はないようです。
今回ご紹介するのはハワイのご当地唐揚げ・モチコチキン。もともとは日本から移住した人々が現地に伝えたレシピが広がったものだと言われています。衣に餅粉を使っていることから、この名が付いたのだとか。最近は国内のハワイ料理店でも見かけるようになりました。日本人がハワイに伝えたものがハワイ料理として日本に登場する、いわば”逆輸入”的な唐揚げです。
モチコチキンのパイオニア的存在
そのモチコチキン、日本でのパイオニア的な存在なのが、フードトラックで営業する『MOCHIKO CHICKEN FACTORY(モチコチキンファクトリー)』です。ハワイ在住歴のあるオーナーの清裕美子さんが18年ほど前に始めたもので、現在は複数台のフードトラックが東京都内各地のオフィス街などでモチコチキンを販売しています。今回は地下鉄日比谷線・神谷町駅からすぐのオフィスビル近くに出店中のフードトラックにお邪魔しました。メインはお弁当ですが、モチコチキン単品での購入も可能です。いただいたのは一番人気のお弁当「タルタル」(800円)と単品の「ハワイアンシーソルト」(550円)。
“ハワイアンシーソルト”実食!
まずはハワイアンシーソルトから。秘伝の漬けダレに鶏肉をひと晩じっくりと漬け込み、衣を付けて、180℃のヒマワリ油で揚げていきます。餅粉のほか数種類の粉をブレンドしているという衣はモッチリ感が前面に出てくるかと思いきや、そこにカリッと感も加わった歯ざわりです。衣は薄過ぎず厚過ぎず、ほどよい厚みと香ばしさ。衣と肉の間にすき間がほとんどないような、見事なまでの“衣肉一体型”です。両者が分離することなく、噛むほどに衣と肉がジワジワとシャッフルされていき、舌の上で味が変化していくのを楽しめます。
ハワイの赤塩や岩塩をブレンドしたというシーソルトは、塩の旨みすら感じてしまうもので、これが肉の旨みと攪拌されつつ徐々に美味しさを増していく印象。口の中でゴム風船がふくらむように、塩&肉の旨みがタッグを組んでじっくりとそして強く、周囲に圧を加えつつ広がっていきます。これはやめられない美味しさ!
オリジナルのタルタルソースでお弁当を堪能
続いてお弁当へ。タルタルソースは卵やタマネギ、ピクルスをマヨネーズに混ぜ込んだ、こちらのオリジナル。ちょっとクリーミーでさっぱりしたタルタルソースですが、モチコチキンが濃いめの味付けなので、相性も良好。さっぱりしているのに、小憎らしいほどの存在感を示すタルタルソースに圧倒されながら、あっという間にチキンをペロリ完食。わずかに残ったタルタルソースはごはんにつけて食べてもGood。
お弁当はタルタル、ハワイアンシーソルトのほか、ピーナッツソース、ハニーマスタード、トマトチリなどもあります。その日の気分で好きなソースを選べます。
こちらのフードトラックは、平日のお昼前後に都内各所に出店しているとのこと。出店場所と時間は『MOCHIKO CHICKEN FACTORY』のウェブサイトで公表されていますが、日によって異なる場合があるそうです。各フードトラックのSNSなどで確認するのがもっとも確実とのこと。
フードトラックでもパイオニア
さて、オーナーの清さんがこのフードトラックを始めた18年前、国内ではモチコチキンはおろか「唐揚げのフードトラック自体が珍しかった」といいます。たしかにそうでしょうね。18年前といえば、第2次唐揚げブーム(2009年ごろ)よりも以前。その点でもパイオニアだったのかもしれません。
コロナ禍で在宅ワークが進み、イベントなどが多数中止となってしまって、フードトラックは一時は活躍の場が激減しました。住宅街や商店街などに場所を移して営業を続けたフードトラックもあったのだとか。しかし最近はかつてのように、徐々に出店機会が回復してきているようです。
走行中はもちろん調理はしていないでしょう。しかし走っている唐揚げフードトラックを見つけるたびに、得も言われぬ刺激を与えられてしまう私。「どこに出店するんだろう?」と後を付けてみたくなる衝動にかられます。そのうち刑事ドラマのようにタクシーを拾って「前の唐揚げを追ってくれ!」などとやってしまうかもしれません。
(取材年月日:2022年11月22日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。