東京都渋谷区|KAPI TAPI 原宿ALTA店|顔がすっぽり隠れるデカさ?モモ一枚肉使用の「台灣大鶏排」
日本でも人気の台湾のご当地唐揚げ・鶏排
ハワイのモチコチキンやイタリアのポッロフリット、インドのパコラなど、唐揚げの親戚と言えそうな食べ物は世界各地に存在します。とくに台湾の鶏排(ジーパイ)や韓国のヤンニョムチキンはこの数年日本でもブームになっていますね。
今回ご紹介するのは台湾の鶏排。台湾では夜店や屋台などで売られている台湾のご当地唐揚げと言えるものです。1990年代ごろから食べられるようになり、今ではすっかり台湾の国民的グルメのひとつになっているのだそう。昨年ごろからは日本でもテイクアウトをメインとする専門店が各地にでき、若い人たちを中心に人気を博しています。
さてこの台湾鶏排、特徴はその大きさにあります。大人の顔ほどもあろうかというビッグサイズで、SNSなどでも話題になりました。ムネ肉を叩いて薄く広げ、五香粉(ウーシャンフェン)など多種多様なスパイスで味付けして衣をまぶして揚げたもので、インパクト絶大なサイズ感になっています。まさに“ばえる”サイズの唐揚げです。
小顔の人なら顔がすっぽり隠れてしまいそうなデカさ!
その台湾鶏排を味わうべく、やってきたのは原宿・竹下通り。原宿アルタの敷地内にある『KAPI TAPI・原宿ALTA店』は、キッチンカ―をそのまま使用したオシャレでフランクなイメージのあるお店です。こちらの一番人気は『台灣大鶏排』(700円)。私がお邪魔した日も若い世代のお客さんがひっきりなしに訪れ、この台灣大鶏排を買い求めていました。
オーダーから7~8分ほどで大鶏排の出来上がりです。写真を見ればわかる通り、かなりデカい!たしかに小顔の人ならば顔がすっかり隠れてしまうでしょう。鶏排は一般的にムネ肉を使用しますが、こちらはモモの一枚肉を使っています。元々の肉の重さは300gほどもあるそうです。
揚げたてアツアツなのが、袋ごしに手に伝わってきます。五香粉特有のあのエスニックな香りがあたためられて、ホワリとやさしく嗅覚をくすぐります。う~ん、いい香り!
台湾から取り寄せたさつまいも粉など数種類の粉を使用している衣は、サックリとした心地よい歯ざわり。かすかに、さつまいもの甘みも感じます。モモ肉を使っているため、肉はふっくらやわらかい。叩いているのでなおやわらかい。じわりとあふれてくる肉汁に旨みがしっかり閉じ込められていて、食べ始めると一気に完食できそうな気になってきます。
衣と肉の黄金比が美味しさのポイント
面積はデカいのですが、厚さは通常の唐揚げに比べて薄くなっています。しかしこれがポイント。肉が上下の衣にうまくサンドされていて、衣:肉:衣=1:2:1というイメージです。ある意味、黄金比率とも言えるでしょうか。肉汁とともに口の中で溶け合いながら、味覚を次のステップにいざなってくれます。
表面には五香粉のほか、数種類のスパイスがふりかけられています。これが全体の味を引き締めて、複層的な深みのある味わいを演出。ほんのりスパイシーな風味が食欲をかきたててくれて、5~6分ほどで完食できました。
サイズがサイズだけに食べごたえ十分ですが、美味しさにせかされるようにしてついつい”一気食い”してしまった私。肉の旨みやスパイスに、うまくのせられてしまったのでしょうか。美味しさという名の魔力です(笑)。
衣だけでも十分美味!おつまみにもピッタリ!
ところで日本の唐揚げは一般的に、衣には味付けはしないものです。この台灣大鶏排も、衣の粉そのものには味付けはしていないものの、スパイシー、さつまいも粉のかすかな甘み、そして絶妙な揚げ具合で生まれるおこげのせいで、衣だけでもかなりの美味しさ。肉からはがして衣だけを食べてみましたが、これだけでひとつの味が成立しています。お酒のおつまみにいけると確信した私、お店の人に商品化を提案しておきました(笑)。
(取材年月日:2022年1月21日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。