東京都台東区|からあげ家 奥州いわい 秋葉原本店|アキバ名物!自社飼育の銘柄鶏を使用した「室根からあげ」&「アキバ唐揚げ」
自社飼育した銘柄鶏に合うレシピを考案して完成させた「室根からあげ」
JR秋葉原駅昭和通り口から徒歩5~6分にある『からあげ家 奥州いわい』
電気街、サブカルチャーの聖地、デカ盛りグルメの街など多様な顔を持つ東京・秋葉原。海外の人も憧れる有名な観光地となり「AKB」の略称は同名のアイドルグループの影響もあって、知らない人はいないほどです。その秋葉原の喧騒から少し離れたところにあるのが『からあげ家 奥州いわい 秋葉原本店』。日本唐揚協会主催のからあげグランプリ・東日本しょうゆダレ部門で最高金賞を2回、金賞を4回受賞している名店中の名店で、唐揚げ好きならば誰もが知るお店です。
こちらを運営するのは、岩手県一関市室根町に拠点を置く株式会社オヤマ。銘柄鶏・奥州いわいどりの飼育から販売までを一貫体制でおこなっています。その奥州いわいどりを使った「室根からあげ」(5個・450円)がこちらの一番人気。飼料や飼育環境にこだわって生産し、その鶏の特徴を理解したうえで完成させた唐揚げです。唐揚げ専門店で鶏肉から自社で生産しているところはかなり珍しいですね。しかも肉を生産してから、それに合ったレシピを考案して唐揚げを作るというのは、なかなか真似できることではありません。さっそくその「室根からあげ」をいただきます。
ジャンボサイズで薄衣、コク深い肉のうま味にノックアウト!
一番人気の「室根からあげ」はお取り寄せも可能
奥州いわいどりは臭みがなく、うま味が強くてコクのある味わいが特徴の肉です。そのモモ肉に玉ねぎ、ショウガ、濃口醤油などで味付けし、北海道産の馬鈴薯でん粉をまぶして、高温のキャノーラ油で揚げた「室根からあげ」。ニンニクは使用していません。大ぶりで1個あたり50gほどはあるでしょうか。近年トレンドになっている“ジャンボ唐揚げ”のひとつと言えそうです。
衣に歯を立てると「シャリッ!」という爽快な食感。軽やかな咀嚼音が骨伝導で伝わってきます。唐揚げは“音”で食欲を刺激してくれることがありますが、揚げ音と並ぶ最強の食欲促進音は、やはりこの咀嚼音でしょう。
コク深いうま味が詰まった肉。断面からは良い香りも…
その衣の向こうには、やわらかい肉が待ち構えています。衣と肉が徐々に混じり合っていくわけですが、肉感が衣感を凌駕するのはあっという間です。衣を徹底的に薄く仕上げていないと、こうはいかないでしょう。これまたトレンドの“薄衣”。ニンニク不使用ということもあり、コク深いうま味をしっかり感じることができます。玉ねぎを使用しているせいか、肉のうま味と醤油の風味のどこからか、ほのかにフルーティーな味わいも姿をのぞかせます。とにかく肉が大きいので満足感も十分。
衣が肉汁と溶け合うように崩れ、うま味とともにのどの奥に吸い込まれていく瞬間の名残惜しさ。舌の上に残ったうま味の余韻に引きずられるように、次の1個に思わず手がのびてしまいます。
磯の風味も感じる秋葉原のご当地唐揚げ
おやつでもおつまみでもいけそうな「アキバ唐揚げ」
さてもうひと品。ぜひ味わってほしいのが「アキバ唐揚げ」(5個・430円)です。秋葉原のご当地唐揚げと言ってもいいでしょうか。こちらの人気メニューのひとつで、秋葉原の略称・AKBにちなみ、A=青のり、K=かつおだし、B=ブラックペッパーを味付けに使用したムネ肉唐揚げです。しかしムネ肉特有の固さや淡白さは一切感じません。下処理も完璧とみました。
ムネ肉とは思えないしっとり、そしてほっくりした食感で、青のりとかつおだしが磯の風味をさわやかに演出しています。ブラックペッパーのピリッとした刺激が味全体を引き締めている印象です。スナック菓子感覚で食べられそうな唐揚げですが、お酒のおつまみにもいいかもしれません。
お店の脇の「いわいアート」。ベンチも置かれていて、ここで唐揚げを食べることもできます
お店の脇には“唐揚げモンスター”や奥州いわいどりの故郷・岩手県の景観などをイメージした壁面アート「いわいアート」があります。ベンチも置かれており、唐揚げを食べつつ写真撮影を楽しむお客さんもいるとのこと。いい来店記念になりそうですね。
ところで今回ご紹介した「室根からあげ」はECサイト「奥州いわいネット」でお取り寄せもできます。全国の唐揚げファンが、わざわざ秋葉原まで足を運ぶほどの唐揚げですが、自宅で気軽に楽しむこともできるのは嬉しいですね。
(取材年月日:2021年11月26日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。