唐揚げコラム

埼玉県春日部市|からあげ鳥元|1個約80g!「藤」の名所で見つけたデカ旨の唐揚げとは

東武アーバンパークライン・藤の牛島駅から徒歩で数十秒のところにある『からあげ鳥元』

名物は「定番の大きなからあげ」

東武アーバンパークライン(野田線)で春日部からひと駅にある藤の牛島駅。国の特別天然記念物に指定されている〈牛島の藤〉で知られる『藤花園』が近くにあり、それが駅名の由来といわれています。

その藤の牛島駅の改札を出て徒歩で数十秒にある『からあげ鳥元』が今回のお目当てです。

店内には写真付きのメニューが。お弁当や丼ものも充実しています

テイクアウトのお弁当や唐揚げがメインですが、店内にはイートインのスペースもあります。こちらでオーダーしたのが「定番の大きなからあげ」。1個、2個、4個、8個…それ以降は16個まで2の倍数の単位で購入できます。私は8個(1,296円)をオーダーしました。

しっかり衣とふっくら肉のギャップが楽しめる唐揚げ!

その名の通り、実に大きな唐揚げです。「1個あたり70~80gほどはあります」と店主の寺田凌さん。最近は唐揚げのサイズアップがトレンドといわれており、いわゆる”ジャンボ唐揚げ”も珍しくなくなりましたが、こちらの唐揚げはとくに「デカッ!」と思ってしまいます。

「定番の大きなからあげ」(8個)。総重量は600g以上!?

ではさっそく実食とまいりましょう。箸でつまんで顔に近づけただけで、唐揚げ特有の魅惑的な香ばしい香りが鼻をくすぐります。この時点で「絶対美味しい!」と確信。ガブリといけば、薄いながらもしっかりした衣。片栗粉のみの衣はやや固めですが、それがパリッとした心地よい歯ごたえを生んでいます。

旨みがしっかり溶け込んだ肉汁がたっぷり出てきます

その衣の向こうにある肉は、これとは真逆の食感。歯を優しく包み込むような、クッションのようなふっくら感です。固めの衣がその肉にほどよい圧を加えて、旨みたっぷりの肉汁が口の中に押し出されるように飛び出してきます。

僭越ながら私の左手のコブシと比べてみました。こうやって見るとやはりデカい!

店主の寺田さんによると、九州産醤油と唐辛子、ゴマ油をベースにしたオリジナルのタレにしっかり漬け込んでいるとのこと。この柔らかさ、そして肉の旨みを邪魔しない爽やかな味わい。この漬け時間にも秘密があるようです。「ニンニクやショウガはひかえめにしてあります」と寺田さん。そのため、大きいながらも繊細で上品な味わいに仕上がっています。

九州産醤油や唐辛子、ゴマ油などをベースにしたオリジナルの漬けダレ。かき混ぜるだけで美味しそうな香りがふわりと…

そんな美味しさに後押しされてか、最初は大きさに圧倒されてしまった80g近くある唐揚げも、あっという間にペロリ。これはごはんにも合いそうな唐揚げです。

聖地・中津の味に近い唐揚げかも!?

ところで店主・寺田さんのご実家はすぐ近くにある『海鮮割烹 魚元』というお店。寺田さんが独立する形で、店名を一文字もらってこのお店を始めたといいます。

またお店を始めるにあたって、”からあげの聖地”といわれる大分・中津の味に近い唐揚げを作りたかったのだとか。それで九州産の醤油を使用しているのですね。「近所に中津出身の人がいて、その人のアドバイスもあったんですよ」。私も中津出身。それはいいお話が聞けました。たしかに故郷・中津の味に近いものを感じてしまいました。

取材でいろいろなお店を回っていると「中津で修業した」「中津の人にアドバイスをもらった」という唐揚げ店のご主人に出会うことも珍しくありません。同郷の人々が唐揚げ界の発展に尽くしているようにも思えて、ちょっと嬉しくなる瞬間でもあります。

(取材年月日:2024年9月26日)

からあげ鳥元

[住所]埼玉県春日部市牛島1583−2

店舗情報 Googlemap

松本 壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。