唐揚げコラム

東京都世田谷区|大分・中津名物 からあげ 山起|これも聖地の味!大分・中津で生まれ育った店主が揚げる唐揚げとは

東急世田谷線・上町駅から徒歩で10分ほどの『大分・中津名物 からあげ 山起』

聖地出身の店主が揚げる唐揚げとは

起点駅から終点駅まではわずか5キロほど、所要時間は約18分と、こぢんまりとしたレトロ感もある東急世田谷線。沿線には観光スポットやおしゃれなカフェも多く、若い世代にも人気のある路線のひとつです。その東急世田谷線・上町駅から徒歩で10分ほどにあるのが『大分・中津名物 からあげ 山起』です。

イートインもできる店内はカウンター席のみ。中津出身の店主らしさがあります

店主の平山起代治さんは〈からあげの聖地〉と呼ばれる大分県中津市の出身。聖地で生まれ育った店主が揚げる唐揚げを楽しむことができるお店なんですね。今回はこちらで「からあげ・しょうゆ味」(100g・270円)と「から棒・塩味」(100g・240円)をいただくことにしました。オーダーが入ってから揚げるので、揚げたてを味わうことができます。※グラム表記は揚げる前のもの

小ぶりながらもウマさは抜群のモモ肉唐揚げ

「からあげ・しょうゆ味」(写真は100g)。小ぶりながらウマさは抜群!

まずは「からあげ・しょうゆ味」をいただきます。使用しているのは国産鶏のモモ肉。1個が約25gほどと小ぶりなひと口サイズで食べやすい。しかも肉がマシュマロのようなフワフワ感!しょうゆの味が“甘香ばしい”風味を演出しています。衣はかすかに「カリッ」とした歯ざわりを感じさせますが、あっという間に肉と一体化して、さらに香ばしさとコク深さが増していくようです。う~ん、これはビールか白いごはんが欲しくなる味!肉汁もしっかり出てきますが、洪水のようにあふれ出るのではなく、サラリと舌をかすめていくような印象。かすかにとろみのようなものもあって、肉の旨みと柔らかさをアシストしているようです。小さなサイズの唐揚げですが、ウマさのスケールは大きい!

「から棒・塩味」(写真は100g)。食べやすいサイズ感で、おつまみにもいけそうです

続いて「から棒・塩味」を。こちらはムネ肉をスティック状にして揚げていて、これもひと口サイズ。これがムネ肉とは思えない柔らかさで、しっとり感すらあります。ちょっとスパイシーは風味もあり、おつまみでもおやつでもいけそうです。
ちなみに「からあげ」「から棒」は、いずれもしょうゆ味・塩味・ピリ辛しょうゆ味・ピリ辛塩味の4種類の味の中から好きなものを選べます。

素材にもフライヤーにもこだわりアリ!

こちらのお店では、国産の鶏肉にこだわっています。下処理の段階でしっかりと水洗いして常温で3時間ほど寝かせるそう。それからスジや血のかたまりなどをていねいに取り除いていくといいます。そのせいか唐揚げは臭みなどは感じない見事な仕上がり。

フライヤーは揚げカスやドリップが取り除かれる構造の特殊なものを使用

またフライヤーも特殊な構造のものを使っているそうです。揚げ油の中に出た揚げカスやドリップ(肉から出る水分)が取り除かれる構造なんだとか。そのため揚げ油はいつもキレイなサラサラ状態で、これがまた雑味のない唐揚げに仕上げるポイントなんですね。唐揚げはていねいに2度揚げされており、熱の入り方も完璧です。

粉打ち中の店主・平山起代治さん。聖地・中津の出身です。ワンオペですが、仕事はとてもていねい!

ところで聖地・中津には、唐揚げ店が60店以上あるとも言われています。それぞれがこだわりを持って唐揚げを作っており、味もそれぞれに特徴あり。この『山起』も、在所は東京ですが「中津の味!」と言ってもいいでしょう。中津出身の私も、こちらを訪れたときはなんとなく気持ちが落ち着きます。店主の平山さんと会話するときも中津の方言で。故郷に帰って唐揚げを食べているような気分にひたれるんです。

(取材年月日:2024年6月20日)

大分・中津名物 からあげ 山起

[住所]東京都世田谷区桜3-25-3

店舗情報 Googlemap

松本 壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。