ニンニク不使用のデカ唐揚げ!ユニークな店名の唐揚げ専門店を茨城・取手で発見!
酒屋さん?それともお弁当屋さん?
唐揚げ専門店の中にはちょっとユニークな店名のお店がけっこうあります。今回ご紹介するお店もそのひとつ。
JR常磐線・取手駅東口を出て、駅前の大きな通りを右へ。数分歩いて左折すると、突如目に飛び込んでくる珍しい看板。
『岩沢酒店からあげ弁当』
一瞬、お店なのか?それとも何かの広告なのか?と思ってしまいます。しかしこちらはれっきとしたテイクアウト唐揚げ専門店で、これはお店の正式名称なんです。そしてこちらが今回のお目当て。
唐揚げ弁当と単品唐揚げメインで勝負する専門店!
唐揚げ弁当と単品唐揚げがメインのお店ですが、お弁当は唐揚げの個数(2~7個)とごはんの量(180~400g)で5段階に分かれています。そのときのお腹の空き具合やコンディションなどで選ぶことができますね。私が選んだのは「お弁当・並盛」(唐揚げ3個・ごはん220g・680円)と「からあげ単品・3個」(450円)。
メインの唐揚げとごはんのほか、ゆで卵、ポテトサラダ、青きゅうり、かまぼこ、千切りキャベツも一緒。テイクアウト専門店の唐揚げ弁当にしてはちょっとぜいたくな印象です。
さっそく唐揚げからいただきましょう。1個あたり60g前後はありそうな、大きめサイズの唐揚げです。ニンニクは使用しておらず、ショウガの風味がやや強めの印象。漬けダレにひと晩しっかりと漬け込んでいるそうで、肉も柔らかです。ちょっと「むっちり」した弾力ある歯ざわりで美味ですね。揚げたあとに刻んだパセリをふりかけているとのこと。そのせいか、かすかにエスニックな風味もあります。ショウガの味と相まって爽やかな味わいの唐揚げです。
お酒と一緒におつまみ唐揚げの販売を始めたのが店名の由来
唐揚げの個数とごはんの量がちょうどいいバランスです。唐揚げは味付けも濃いめなので、ごはんも進みます。お酒のおつまみにもいけそうですが、店主の岩沢信さんによるともともとは別の場所で酒店として酒類の販売をしていたとのこと。「お酒のおつまみになるものを一緒に販売したいと考えて、店内にキッチンを設置して唐揚げの販売も始めたんです」。その唐揚げが好評だったこともあり、10年ほど前に今のところに唐揚げを専門に販売するお店をオープンしたんだとか。ユニークな店名も『岩沢酒店』の「唐揚げ部門」といった意味合いがあるのかもしれません。
ところで店主の岩沢さん。過去に私の故郷であり”からあげの聖地”と呼ばれる大分県中津市を訪れ、現地の唐揚げ専門店を食べ歩いて味の研究をしたことがあるそうです。そのときある専門店でニンニク不使用の唐揚げを作っていることを店主に話すと、とても驚かれたとのこと。たしかに中津では昔からニンニクをガンガンきかせた唐揚げが多いですからね。しかし最近は臭みの少ない鶏肉も多く、ニンニクどころかショウガも使わない、という唐揚げも出現しています。「ニンニクの風味があってこそ唐揚げだ」という人もいますが、そうやって唐揚げも進化していくのかもしれませんね。
(取材年月日:2024年3月20日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。