千葉県我孫子市|弥生軒|一度は食べておきたい! 我孫子駅のホームで味わえる絶品唐揚げそば
“我孫子名物”とも言われる、立ち食い店の唐揚げそば
駅の立ち食いそば店。乗り換えなどの待ち時間で手早く食事をすませることができる便利でありがたい存在です。かつては早さと安さが立ち食いそばのメリットと言われていましたが、最近は味もよくなり、トッピングやサイドメニューにこだわるお店も増えてきました。“立ち食いそばマニア”もいるほどで、美味しいお店も続々登場しています。
そんな立ち食いそば店の中でも、唐揚げ好きや鉄道マニア、グルメブロガーにも注目されるお店がJR我孫子駅のホームにある『弥生軒』。ジャンボ唐揚げがのったそばが大人気で、わざわざ遠方から食べにやってくる人もいるほど。その“我孫子名物”とも言われる唐揚げそばをいただくため、JR我孫子駅の1・2番ホームにある『弥生軒・6号店』にやってきました。ピークを外すつもりで午後2時ころにお邪魔したのですが、お客さんでいっぱい。さすが人気店です。
そばが見えない!思わず目を見張るほどのジャンボ唐揚げ
まずは食券購入。迷わず「唐揚(2ヶ)そば うどん」(630円)を選びました。そばorうどんをセレクトできるので、うどん派の人でも安心です。唐揚げは単品(1個・160円)もあるので2個でも物足りないという人は追加トッピングも可能。
カウンターに食券を置いて数秒後にはそばがお目見え。この素早さも駅の立ち食いそば店の魅力のひとつです。
さあ写真をご覧ください!唐揚げをトッピングにしたそばはたくさんありますが、こちらのものは、そんじょそこらの唐揚げそばとはわけが違います!のっているのはジャンボ唐揚げ!唐揚げが丼からはみ出しています!そばがほとんど見えません!この唐揚げ、最大幅がおよそ13~14cm。小さめのトンカツほどの大きさで、箸で持ち上げるとその重量感に圧倒されます。かなり重い!箸でつまんだまま上下に動かすだけで筋トレができてしまいそうな気になってしまいます。
そばつゆとの相性も抜群で1個では物足りないかも!?
衣はガリッとした歯ざわり。食べ進めていくとそばのつゆが衣にしみ込んでいきます。徐々にソフトな食感になりつつ、醤油やかつお出汁の風味が加わって和風感が増していきます。そしてなんと肉厚なことか!モモの一枚肉の半分を豪快に使っているのでは、と思ってしまうほど。
ひと口で食べ切ることなどできるはずもないこのサイズ。しかしそこがポイントです。ひと口食べて、その断面をつゆにひたしている間にそばをすすります。次に唐揚げを口に運んだときにはつゆの味が衣や肉にしっかりしみ込み、食べれば食べるほど味が倍加。これぞジャンボ唐揚げそばの醍醐味と言うものでしょう。
唐揚げをある程度食べてしまわないと、その下のそばに到達できないという、嬉しいような困ったような複雑な心境になりつつ、強引にそばを引っ張り出してすすります。うん、そばも美味い!唐揚げが美味いので余計に美味い!つゆには唐揚げの味がブレンドされて、これまた徐々に濃厚になっていくよう。
画家・山下清さんも働いていたという弥生軒
唐揚げとそばをバランスよく交互に食べていかないと、そばがなくなって唐揚げだけになってしまいそうです。「唐揚げ1個で十分だったかな…?」と一瞬脳裏をよぎりますが、逆に物足りなくなってしまうこと必至。2個で正解でした。唐揚げと麺類orスープ類との相性の良さは立証済みですが、こういうスタイルもありですね。手早く唐揚げを食べて満足感を得たいときにピッタリなのでは?唐揚げ好きで、そばorうどん好きの人にはぜひ一度食べてほしい一品です。
ところでこの『弥生軒』、昭和3年創業で、当時は駅構内でお弁当を販売していたそうです。画家の山下清さんも住み込みで働いていた時期もあるとのこと。歴史も感じるお店です。なお、同じ1・2番ホームには8号店、4・5番ホームには5号店があります。メニューも同じですよ。
(取材年月日:2022年3月18日)
松本 壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」大分県中津市。年間のからあげ摂取量は300食以上。『食楽web』(徳間書店)、『bizSPA!フレッシュ』(扶桑社)などでからあげの取材記事を担当する。