東京都港区|とん汁とからあげの専門店ばくばく|豚汁と唐揚げに、午前中背負った何かが浄化される
オフィス街の行列は信じるに値する
「田町駅の三田口」といえば、NECこと日本電気の本社「NECスーパータワー」を中心に広がる、グループ会社、系列企業の老舗の開発会社群。あるいは、学生街をイメージする人も少なくないはず。
そんなオフィス街、学生街のランチタイムは時間との戦い。
美味しいお店は正午になると同時に行列を作ります。開店したばかりの店舗も評判がいいとすぐに広まって行列を作ります。時間に余裕があればその列に並びますが、貴重な昼休みを有効活用するにはテイクアウトするのが常です。
つまり、オフィス街で行列を作っているお店は「お昼休みの時間を削ってでも並ぶ価値がある、ハズレなし店舗」と言えるのではないでしょうか。
すみません。長々語ったものの当たり前の話でした。
そうこうしているうちに見えてきましたよ!行列!
行列の先には看板
“とん汁とからあげの専門店ばくばく”はオフィス街の中にある、外観こそひっそりと店舗ですが、しっかりと列を作り存在感を出していました。
ランチのピークは外したつもりだったんですけど、店内で食べたい方もテイクアウトしたい方も列にいるようでした。
看板に偽りなし。唐揚げと豚汁の専門店メニュー
メニューは…
・とんから定食 … とん汁(大)+からあげ2コ
・からあげ定食 … とん汁(小)+からあげ4コ
・とん汁定食 … とん汁(大)
・ハーフ定食 … とん汁(小)+からあげ2コ
本当に豚汁と唐揚げだけなんですね!ストイックというか強気。
このメニューだけで勝負する潔さに期待が募ります。
強気さとストイックさが滲み出ている潔いメニュー
程なくして店内に入りました。
店内はカウンター8席のコンパクトな内観。席に着くと、お昼休みのサラリーマンが活力を補給しています。我々はからあげ定食ととんから定食を注文しました。
今まで食べた豚汁のなかで一番美味しい
とんから定食が運ばれてきました。豚汁(大)が迫力ありますね。
いただきます。うわ!豚汁美味しい。
豆腐、豚肉、野菜のシンプルな豚汁なんですが、味噌を含めてそれぞれの持っている品質が全部高い。具沢山なので食べ応えがあり、野菜と肉から染み出したエキスが味噌に溶けています。味噌汁は亀戸にある「佐野みそ亀戸本店」さんにオリジナルブレンドの味噌を提供してもらっているそうです。オリジナルブレンド!こだわり方が違います。
いただきますの直後10秒で「今まで食べた豚汁のなかで一番美味しい豚汁」の座に君臨しました。
これだけ豚汁が美味しいと…やっぱり白米も美味しい。
評価の高い、会津坂下コシヒカリはほのかに甘い風味と強いもっちり感を持っています。
豚汁単体でも美味しいし、白米単体でも美味しいです。
豚汁、お米、豚汁、お米!
永遠に食べていたい至福の反復。この往復で満足してしまいますね!
唐揚げの迫力とクオリティも圧倒的
唐揚げの方どことなくごろっとしていてこちらもまた迫力があります。
出来立てのほくほく感を、まずは一口いただきます。
衣はやや薄く、それでいてパリパリになっています。脂っこさのない上品な衣です。
ひと噛みすると、鶏肉のやわらかさに驚きます。「鶏肉美味しい!」と感じた次の瞬間、とどめの肉汁がジューシーに広がっていきます。
からあげ定食
もう何も考えられない。
漫画や映画で、吸血鬼が「ギャー!」っていいながら日光に浄化されるシーンあるじゃないですか。疲れとかストレスとか邪念とかが「ギャー!」って光に包まれていく感覚を覚えました。真っ白な光の中で明朝体の「美味」の二文字だけが残る。そんな何かが浄化されるような体験でした。
有野さん、この感じ伝わりますか?
隣を見ると有野さんも浄化中でした。
そのままでも十分美味しい唐揚げ、味変えもできます!
席の前方には調味料が置いてあります。
魚粉、七味、山椒、ラー油、マヨネーズが用意されてます。容器がかわいいですね。魚粉は豚汁の調整用。唐揚げの味変えとしては、マヨネーズと七味の組み合わせが定番だと思うんですが、果たしてラー油はどう使うんでしょう。
その調整は考えたことありませんでした。
唐揚げの追加をお願いして早速トライします。
光の加減で分かりづらいですが、ラー油と山椒をかけました。
いただきます!
山椒の香り、好きなんです。癖になりますよね。風味を堪能しながら、一口食べると山椒、ラー油と二段構えの辛さがやってきます。そして、先ほどの衣のパリッ、鶏肉のフワッ、油のジュワーが順番にやってきます。この連続技を食らった感覚をなんと呼ぶか、僕知ってます。
「しあわせ」
また浄化されました。
親指に力が入ってるということは大満足のサムズアップ
余談ですが、この取材はアポを取らないで訪問したんですが、入店後に店員の方から「唐揚げアイドルの方ですよね?」とお声がけいただきました。ありがとうございます!
よくご存知で!
と、お店のオリジナルTシャツまでいただきました。
ありがとうございます!うれしい!
そしてかわいい
美味しかった。非常に美味しかった。テーブルに並ぶ全ての食材がよかった。
短い時間でしたが舌も胃も満足していて、何より午前中のストレスも軽減した気になります。午後も頑張れそうです。
そんな、『とん汁とからあげの専門店ばくばく』で体験する、至福のランチタイムでした。
(取材年月日:2021年9月16日)
岡崎 龍夫
都内在住のデザイナー、WEBエンジニア。多趣味であり、食べ歩きもその1つ。「DJやさしいおばけ」という別名義を持ってたり、朝日さいたま文化賞(詩部門)を最年少で受賞したりという特異な一面を持つ。 https://twitter.com/obake314